バディーベルトの歴史
バディーベルト(Buddy Belts)の特徴と誕生ストーリー
バディーベルト(Buddy Belts)は、大切なワンちゃんの身体への負担を軽減する目的でデザインされた画期的なオールレザー・ハーネスです。メガネのようなユニークな形状のおかげで、喉が圧迫されたり、首に負担がかかったりすることがなく、特にお散歩中に引きが強かったり、頸椎捻挫や気管虚脱といった問題が気になったりするワンちゃんに適しています。
実際、日本における気管虚脱手術の第一人者がその良さを認め、推奨していらっしゃいます。
そんな究極のハーネスとも言えるバディーベルト(Buddy Belts)は、一体どのように誕生したのでしょうか?
ロクサーヌさんと愛犬Buddy
(Buddyは享年18歳)
バディーベルト(Buddy Belts)の原型が誕生したのは、1997年にさかのぼります。現在このハーネスを製造するクラス・アート社(カナダ・トロント)の創始者でCEOのロクサーヌ・ペティパさんは、当時飼い始めたばかりのミニチュアダックスフントの愛犬 Buddy が、お散歩に出かける度にまるで喘息のように咳き込むのが気になっていました。
ある日彼女は、その原因が首輪による喉の圧迫に違いないと確信しました。そこで彼女は首輪に代えてハーネスを装着してみましたが、当時販売されていたハーネスは、どれも装着しづらかったり、素材がナイロン製で皮膚や被毛を傷めたり、また喉の部分にベルトがかかったり、とても彼女が満足できるものではありませんでした。
そこで彼女は、自ら考案したデザインを基に、古タイヤを切り抜いてハーネスを作ってみました。
これが「バディーベルト」の原型です。
その後、幾つかの素材を試した後、革にたどり着きました。
それから革製品のデザイナーや革職人といった人たちと相談や研究を重ね、何度も試作を繰り返し、徐々に現在の形に近付いていきました。そして、このハーネスは愛犬 Buddy のためのベルトという意味で、「Buddy Belts」と命名されました。(ちなみに[FULLY FULLY(フリィフリィ)]では、洋画のタイトルに分かりやすい日本語のサブタイトルが付けられているのにヒントを得て、お客様が商品をイメージしやすいよう、その形状から「リングハーネス」という名称を考案し、その名前でもご紹介しております。
<ここまでのストーリーを元に作られた動画がご覧いただけます>
その後、2001年10月にカナダ・トロントで開催されたペット博覧会で「Buddy Belts」が正式に世間に発表されました。
発表と同時に「Buddy Belts」の評判は一気に広まり、やがて北米だけに留まらず、ヨーロッパや日本でも販売されるようになりました。
当時のバディーベルトは、革の裁断から縫製に至るまですべてロクサーヌさんが一人でこなしていましたが、2003年には、それまでの自宅の地下を改造したこじんまりした作業場から広い工場に移転し、それに伴い革の裁断機や工業用ミシンが導入され、より正確で効率のよい裁断と縫製が可能となりました。
それにより生産量も増加しましたが、主要な工程につきましては、今でも職人さんの熟練の技が生かされています。これが「Buddy Belts」の人気を支えるひとつの要因となっています。
近年、「Buddy Belts」を真似たコピー商品(偽物)が出回っています。偽物が横行している中国ではなく、日本のメーカーが「メガネハーネス」とか「ワンタッチハーネス」という名称で、堂々とコピー商品を製造・販売している状況はとても残念でなりません。仮に違法性を問われないとしても、モラル上大きな問題です。ただ、いくら形を真似ても良質な素材と職人さんの技に裏打ちされた品質と安全性の高さは、決して真似することはできません。
FULLY FULLY(フリィフリィ)では、2006年にこのハーネスと初めて出会い、すぐにその良さを理解しました。そして日本ではまだ誰も見たことのなかったこのハーネスを、ぜひ日本の飼い主の皆様にご紹介しようと、他店に先駆けて2007年1月より輸入・販売業務を始めました。それ以来リングハーネスという愛称で西麻布の店舗やウェブ・サイト、さらには雑誌やTVといったメディアを通じて少しでも多くの皆様にこのハーネスのことを知っていただこうと努力してまいりました。その甲斐あって、バディーベルト(Buddy Belts)と言えば、FULLY FULLY(フリィフリィ)とまでおっしゃっていただけるようになりました。最近では、リピーターの方がどんどん増え、口コミやブログを通じてさらにその評判が広がっています。
またここ数年の間には、当店の後を追うようにバディーベルト(リングハーネス)を取扱う店舗がいくつか現れ、このハーネスの認知度は今後ますます高まるでしょう。
そんな中、FULLY FULLY(フリィフリィ)は、日本におけるバディーベルト(Buddy Belts)の正規輸入・販売店の先駆者として、引き続き豊富な品揃えとお求めやすい価格を目指して努力して参ります。また、西麻布の店舗での販売だけではなく、通信販売にも対応しておりますので、ご来店が難しい方はそちらをご利用いただければ幸いです。それでは皆様、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
インスタグラム(@buddybelts_by_fullyfully)では、当店のお客様から送っていただいたお写真を公開していますので、実際に装着している様子などご参考になさってください。
注)FULLY FULLY(フリィフリィ)は、日本で最初の正規輸入販売店として、カナダの製造元であるクラス・アート社とバディーベルト(リングハーネス)の輸入・販売契約を結び、直接日本の顧客の皆様に正規の商品をご提供しております。どうぞ安心してご利用ください。なお、最近「BUDDY BELTS JAPAN」という名称のサイトとショップが立ち上がり、展示会やイベントなどでよく見かけます。店名にJAPANと言う名称が入っているためにBUDDY BELTSの日本支社と勘違いされる方がいらっしゃるかも知れませんが、実際は当店と同じような正規輸入販売店の一つです。
FULLY FULLYとBuddy Belts の歴史秘話
FULLY FULLYは2005年の秋にトリミングサロンとブティックの複合店として東京・西麻布でオープンいたしました。ブティックでは、当時オリジナルデザインの首輪やリード、ウェアとLouisdogやWet Noseなどのインポート物をメインに販売していました。
オープンから1年ほど経過したある日のとこ、当時トリミングサロン✂︎をご利用いただいていたあるお客さまが、いつもの様に愛犬を連れてご来店くださいました。預かったワンちゃんを見ると、いつもの一体型ハーネスではなく、見たことのない「メガネのようなモノ(笑)」を着けているではありませんか!
それを見るなり興味が湧いて来た私は、お客さまにその「メガネのようなモノ」のことをお伺いしました。それで次の2つが分かりました。
- 「そのメガネのようなモノ」はレザー製のハーネスである。
- お客さまが海外出張中に立ち寄ったショップで偶然見つけて買ってこられた。
ワンちゃんをお預かりしたあと、その「メガネのようなモノ」を詳しく見たり触ったりしているうちに、直感的にこれは画期的な商品に違い無いと感じました。ベルトの脇のところには、お馴染みの楕円形のBB のロゴが付いていて、そこにネットのURLらしきものを見つけました。そこで直ぐにネットで検索しますと、カナダCAのクラスアート社(Buddy Beltの本社)のサイトにたどり着くことができました。
ところで私儀、実はこのFULLY FULLYをオープンするまでは、長年外資系の金融機関に勤めていました。その間、ロンドンやN.Y.でも計8年間働いた経験があります。もちろん当時の社内の公用語は英語でメールも全て英語の世界でした。
そんな訳で英語でのメールのやり取りは苦にならなかったので、直ぐにカナダの本社に英文の長いメールを送りました。自己紹介から始まって、如何にこのハーネスに感動したか、そして是非日本でこのハーネスを広めたいという熱い思いを書き綴りました。その甲斐あってか、こちらの思いが通じ、晴れて日本初のauthorised retailer (正規販売店)として認定されたのです。こうして2007年の初めから、Buddy Belt(バディーベルト)の正規輸入販売を始めることとなりました。
こうしてスタートを切れたのは良かったのですが、直ぐに以下のような問題や課題が見つかりました。
- 商品名には、創始者の愛犬Buddy のためのBeltという意味でBuddy Beltという名前が付いていましたが、正直ハーネスだとは分かりにくい名前でした。
- 当然ながら本社のウェブサイトやパンフレットなどは全て英語でしたので、日本語に訳したものを自分で用意しなければなりませんでした。
- 現地での販売価格はカナダドル建てでしたが、日本で販売するには、関税や海外消費税や航空便の送料などを加えてさらに円建ての価格に転換しなければなりません。しかも、競合する他のメーカーのハーネスの価格と比較して、お客さまが納得できるような価格を決めなければなりませんでした。
- 日本では見たことも聞いたこともない、つまり知名度の全く無い商品でしたので、どの様に宣伝して皆さまに知っていただくかも早急の課題でした。
まず商品名ですが、どの様な商品かが直ぐに分かるように、どうしても「ハーネス」ということばを含めたいと考えました。そこで、メガネの様な2つのリング状のハーネスということで、「リングハーネス」という名前を思い付き、その名前で宣伝しました。それから10年以上経過して、Buddy Beltと言えばハーネスだということがかなり浸透してきましたので、最近ではバディーベルト(Buddy Belt)だけを使うようになり、「リングハーネス」という名前はその任務を終えました。
色の名称も日本語に訳すときにひと工夫しました。レッドやブラックは問題無かったのですが、当時のスベスベ革の水色と桃色は単にBlue、Pinkとなっていたのです。そこであのパステル調の優しい色だと分かりやすいように、ベイビーブルーとベイビーピンクという名前を思いつきました。
余談になりますが、定番のキャラメルは、当初私が一目見た時にキャメル色だと思ってしまい、最初の数年間はキャメルという間違った名前で販売していました。なお、ベイビーブルーとベイビーピンクは今でもそのままです。ただ濃い目の青になった現行のシボ革は、最近になってベイビーブルーではなくブルーに戻しました。
これで名前の問題は解決しましたが、次は宣伝です。
先ず当店のウェブサイトを改修し、Buddy Belt専用のページを追加して誕生秘話や歴史、装着方法やサイズの測り方などを日本語で作成しました。今では多くの販売店のサイトで当たり前に見られるようなページのまさに第1号です。
それと同時に、雑誌の出版社に当店のイチ押し商品としてこのBuddy Beltを紹介してもらえる様に働きかけました。当時はまだSNSもインターペット、ペット博といったイベントも無い時代でしたので、Buddy Beltが消費者の皆さまの目に触れる機会は、本当に限られていたのです。
価格に関しましては、希少価値の高い輸入品でしたので、高級品としてのイメージを残しつつ、ある程度のお手頃感も意識した価格を設定しなければならないと感じていました。ただ唯一無二の商品でしたので、比較検討する商品が無く、そこは苦労しました。なお現在の日本の価格は、何故か日本の事情を無視してカナダ本社で決められてしまっています。
こうして壁にぶつかりながらも何とかスタートしたのですが、当然ながら知名度も実績もない未知の商品が、いくら画期的で素晴らしいからと言っても、直ぐにヒット商品になるほど世の中は甘くありません。そんな折、思わぬ追い風が吹いてくれました。
1つ目の追い風は、販売をスタートしてまだ間もない頃、都内の某動物病院の院長で、国内における気管虚脱手術の第一人者として有名な獣医師の先生が、Buddy Beltを目当てにご来店くださったことです。その際にBuddy Beltが気管虚脱の治療や予防に適したハーネスであるとお墨付きをいただきました。それを受け、当店のウェブサイトやパンフレットなどに、「気管虚脱手術の第一人者の推奨」や「獣医師推奨」といった文言を、胸を張って付け加えることが可能になり、結果的に気管虚脱に悩む飼い主の皆さまや、引きが強くて心配されている飼い主の皆さまに、安心してご購入いただける様になったのです。 ただ、「気管虚脱対応型ハーネス」という名前を考えついたのは、もっと後になります。
2つ目の追い風は、その数年後に人気TV番組「ポチたま」の松本くんが、まさはる君を連れてご来店され、まさはる君のためにキャラメルの8号をご購入されたことです。それ以降、大型犬の飼い主の皆さまから「TVで観たまさはる君のハーネスが欲しい!」とのお問い合わせが一気に増えたのでした。
そうこうしているうちに、当店と同じ様な正規輸入販売店の数も少しずつ増え、中には正規代理店と呼ばれる数多くの店舗に卸売りをするお店や、ネット販売に特化したお店が現れて、嬉しいことにBuddy Beltの知名度も徐々に上がっていきました。最近ではイベントに特化した様な正規輸入販売店も現れて、各地を転々としています。
イベントの話が出ましたので、蛇足ながら持論を少し披露させていただきますと、私自身はBuddy Beltをイベント、特に屋外の会場で販売することは絶対にありません。理由は2つ。
- 混雑したイベント会場では個々のワンちゃんや飼い主の皆さまに十分なお時間を割いて接客できないからです。ましてやカスタマイズは言わずもがな、です。
- 大切なBuddy Beltをコンテナなどにぎゅうぎゅう詰めにして輸送したり、屋外の会場でホコリや湿気や紫外線に晒したりしますと、どうしても品質が劣化するからです。
Buddy Beltの販売をスタートとして節目の10年目を迎えた2017年には、当時は誰もやっていなかったカスタマイズをスタートいたしました。当時カスタムと言えば、メーカーオプションのクリアクリスタルのワンパターンでしたので、色々なパーツ探し回り導入いたしました。どれも当店のアイデアで、もちろん日本で唯一でした。最初はどうなるか不安もあったのですが、お蔭様でこのカスタマイズは多くのBuddy Beltファンの皆さまのご支持を得ることができ、今では始めて良かったなと思っています。
一方で、当店が苦労して辿り着いたアイデアを、ちゃっかり真似する店が増えている現状にはガッカリですが、裏を返せば当店のアイデアが評価されている証拠ですし、お客さまにとりましては、選択肢が増えて良いことかも知れません。いずれにしましても、当店は日本におけるBuddy Beltの輸入販売とカスタマイズのパイオニアとして、今後とも皆さまに喜んでいただける様に努めてまいります。